「教えない授業」の本は多数ありますが、本書はとても実践的で授業イメージが容易に湧いてくる本です。
Chapter1.教えない授業の基本ポイント
授業の導入時が特に重要として、「学習って楽しい」「何が学べるのかワクワクする」と思わせる言葉かけなどで、主体的な学びへと誘導します。知識を与えつつも、どうすれば子ども自身で学ぶことができるようになるのか?学びの方向性を共有しておくことが大事だといいます。
主体的に動き出すための3ステップ
リード期は、教師がきちんと教える。学習の土台づくり
サポート期は、子どもに寄り添う。少しづつ学習を委ねる
バックアップ期は、手を話しても目は離さない。子ども主体での学び
といった3ステップ理論
学習のプロセス4段階
- 無意識的無能 :知らないし出来ない
- 意識的無能 :知っているけれど出来ない
- 意識的有能 :意識をすれば出来る
- 無意識的有能 :意識しなくても出来る
子どもの学習は、この4ステップを踏んで進むことを理解した上で、その学びを見守り、サポートが必要といいます。教師は今、どの段階で指導しているのかを理解することも必要となります。
学びの責任は誰にあるのか?「学びの責任モデル」
- 焦点を絞った指導:目的やねらい、見本の提示、興味付け
- 教師がガイドする指導:教師と子ども全体との対話
- 協働学習:グループメンバーとの学習
- 個別学習:個々に課題に取り組み、学びを完成させる
主体的学びへの絶対条件
マズローの欲求5段階説「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」の段階をへて最終段階の「自己実現の欲求」つまり主体的な学びがもたらされるといいます。まずは、安心して学べる信頼関係が絶対条件となります。
さらに、環境(モノ、人数配置、机配置など)をおろそかにせず、整えることが大切。
続いて主体的な学びをするためのスキル・行為を基礎段階で教師が丁寧に教えておく必要がある。
ファシリテーションの基本
答えは子どもの中にあるというマインドセットで進める上で、子どもの中から引き出したり、広めたりする術がなければ何も出来ません。
チャンクダウンと呼ばれる「深める」スキル。「どうして?」「詳しくいうと?」などの返しによって答えを引き出す。
スライドアウトと呼ばれる「広げる」スキル。「他には?」などと問いかけるスキル。
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